発足の経緯(詳細)

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■図書館(公共図書館・学校図書館及び大学図書館)に求められていること
資料の収集、整理、保存及び貸出を中心としてきた図書館の役割は、地域・組織が抱える課題に対応し、利用者の実情に応じた情報サービスを提供する機関へと変容しつつある。現在の図書館は、時間・距離の制約、高齢者、障がい者、子育て中などの様々な理由により来館が困難な利用者を含む地域・組織すべての人々に、高度な情報サービスを提供することを目指している。
この場合の情報とは、既存の出版流通で得られる出版物及び図書館が収集している地域資料・学術資料を含み、利用者にとって一般のインターネット上のサービスで得られるよりも高深度で利便性の高い資料や情報を指している。

■図書館と電子書籍
電子書籍は、時間的・空間的な制約を持たず、貸出・返却の自動化が可能であり、画面・文字の拡大や合成音声による読み上げなどのアクセシビリティが高いため、現在図書館に求められているサービスの実現にとって有益な手段となり得る。
図書館としても、電子書籍の貸し出しは図書資料を貸し出す従来のサービス形態と似ているため、利用者にとっても理解がしやすく、また図書館員自身の関心も高いと考えられる。
しかしながら、現状は、図書館にとって必要な電子書籍が十分に提供されているとは言い難く、また、図書館側の電子書籍に対する理解も充分とは言えない。

■出版社(者)と電子書籍及び図書館マーケット
近年、電子書籍の市場は急激な変化にさらされているが、現在の電子書籍流通は、既存の書籍流通を踏襲しており、多くは電子書店を介して個人読者をターゲットとするビジネスモデルを採っている。現在読者を組織化してサービスを行い始めている図書館を対象としたビジネスモデルは少ないであろう。このことは出版社(者)が図書館をビジネスの対象に加えることによって、新たな電子書籍市場の開拓が可能である事を意味している。
しかし、現在のビジネスモデルをそのまま図書館に持ち込むことには多くの問題がある。状況によっては、図書館における電子書籍の導入そのものが進展しなくなる可能性もあり、今まさに図書館と共に電子書籍の図書館利用をどのように推進していくかの協議が必要とされている。
総務省の「図書館におけるデジタルコンテンツ利活用検討委員会」が「公立図書館における電子書籍利活用ガイドライン(案)」を発表したが、その中では図書館と出版社の現実的な共存共栄体制を具体的に議論するまでには至っていない。

■このような状況の中で、「社会システムとしての図書館機能」を利用した出版社(者)と読者の新たな共存共栄関係の確立を目的として、電子書籍図書館推進協議会を発足することとした。