『図書館における貴重書等資料のデジタル化と著作権処理』開催報告

平成28年2月29日に開催いたしました、知的資源イニシアティブ(IRI)セミナー
『図書館における貴重書等資料のデジタル化と著作権処理』
=著作権法の関連規定の解釈見直しとデジタル化の促進=

は、多数の参加をいただき、盛況のうちに終了することができました。
どうもありがとうございました。

会場の様子と配布資料とを掲載いたします。
(敬称略)
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◯主催者挨拶

 IRI代表理事 高山正也
高山代表ご挨拶


◯「明治~戦中少女雑誌の権利処理調査プロジェクト」実務報告

(平成27年度文化芸術振興費補助金メディア芸術アーカイブ支援推進事業)

 NPO法人知的資源イニシアティブ委員 池川佳宏

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2016年2月29日池川佳宏(IRI委員プロジェクト担当者)「明治~戦中少女雑誌の権利処理調査プロジェクト」実務報告平成27年度文化芸術振興費補助金メディア芸術アーカイブ推進支援事業1.背景説明権利処理調査の検証がなぜ必要なのか?■資料の所蔵館(図書館・博物館など)・劣化する資料をデジタル化してアーカイブしたい・アーカイブは活用とセットで考える→デジタル化(複製)の権利処理が課題■文化庁・「著作権者不明等の場合の裁定制度」の「相当な努力」軽減→平成26年8月に改定(さらに平成28年2月に再改定)・平成26年度文化審議会で図書館のデジタル保存に「適法」→対象図書館の判断と閲覧・公開の適法性については保留http://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/chosakuken/bunkakai/41/index.html↓・アーカイブ活用のため「裁定制度」申請の事前準備を検証■熊本県菊陽町図書館明治~昭和の3000冊以上の少女雑誌(村崎コレクション)を所蔵→国会図書館にも所蔵が少なく貴重で、雑誌のため劣化が早い→速やかな保存と所蔵アピールがミッション→「雑誌」は権利者の数が多く、権利も多岐にわたる→権利者が1人~数人の「図書」とは異なり、ハードルが高い■『少女画報』(東京社→新泉社) 1912~1942年國木田独歩の流れを汲む『婦人画報』の妹雑誌として創刊。謎が多い。→当時の少女雑誌は小説・詩などの文芸作品と画家による挿絵が主→国会図書館と菊陽町図書館との所蔵の重複が少ない→2016年時点で刊行から70~100年以上経ち、当時の執筆者の著作権が残っている・いないが微妙なケース↓『少女画報』を対象に、権利調査プロジェクトを文化庁アーカイブ推進事業へ申請2.熊本県菊陽町図書館と『少女画報』についてhttp://iri-project.org/wp-content/uploads/otome_furoku-1.jpg村崎修三『乙女のふろく』(青幻舎)著作権が残る作品の使用は「著作権者」の許諾が必要→「著作権者」が不明の場合、権利者の許諾を得る代わりに文化庁長官の裁定を受けて通常の使用料額に相当する補償金を供託することで使用できるようになる→裁定への申請は、文化庁が定める「相当な努力」をもって著作権者の調査を行い、その結果、不明であることを示す■使用(活用)までのフロー3.「著作権者不明等の場合の裁定制度」とは何か権利者調査「相当の努力」○著作権者がわかれば連絡して許諾交渉○著作権者が不明なら「裁定制度」に申請、裁定される利活用が可能になる→→・著作権以外の「肖像権」などは対象外・TPP?本プロジェクト■プロジェクトの目的・前述の所蔵館によるアーカイブ利活用の課題解決のため、「裁定制度」へ申請するまでのフローを検証し、マニュアル化することを目的とする。■70~100年以上前に刊行された『少女画報』(菊陽町図書館所蔵の75冊)について、雑誌に掲載された作者クレジットのある作品をピックアップし作者名(著作権者)について調査する。※75冊の雑誌に掲載された作品リストについては、京都精華大学が菊陽町図書館の所蔵雑誌目次の調査・データ入力を行った研究成果があり、そのデータを活用した。●「雑誌」掲載コンテンツの権利処理は多岐にわたる(例外的なもの)→作者クレジットのないものは出版社(団体)の著作物などとみなし、いずれも公表から51年以上を経ているので権利は消滅していると判断(著作権法第53条)→「写真の著作物」については、1957年発表以前のものは保護期間が終了し、『少女画報』についてはすべて権利消滅している→日本人以外の著作物については、没後50年経っていても「戦時加算」があるケースがあり、対象国によって個別に異なるため確認する→「戦時加算」は11~13年のため、没後64年経っていればよい4.「権利調査プロジェクト」の概要■文化庁著作権課への問い合わせ(電話でもよい)→最新の「裁定の手引き」(文化庁サイトで公開)を参照■作者名(著作権者)の抜き出し→雑誌目次データから作者名を抽出し、1012名ほどの人名を抽出した●『少女画報』で生じた具体的な難点として→新字・旧字・異体字の違い「富田英三」「冨田英三」→漢字の開き「金子しげまさ」「かねこ・しげまさ」「かねこしげまさ」→姓・名のみなど不完全な記述「夢二」→主に女性のケースとして、旧姓・新姓を考慮・表記のユレと思われるものは最終的に統合したいが、ユレのどちらが正しいのかは不明のため、一旦そのまま調査対象とする・同一人物による名称違い(ペンネーム違い)についても、調査対象としては、それぞれ別人として扱う・作者名と作品名と紐づけておき、作者の属性(文芸・美術など)がわかるようにする(データベース化)5.調査の前の下準備調査の結果、それぞれの権利者にはA~Dの4つのパターンがあるAならば調査終了Bならば今回の調査は終了C、Dならば調査を続け、公開調査を経てそれでも不明の場合に「裁定」に申請する6.調査結果による場合分け没年が明確で没後51年が経過存命または没後50年以下で連絡先が明確存命または没後50年以下で連絡先が不明没年が不明で連絡先も不明著作権消滅のため対応不要「裁定制度」へ手続き申請著作者、著作権継承者へ連絡と許諾申請WEB公開調査情報あり情報なしABCDポイントは「没年」と「連絡先」 1) 権利者情報を掲載する資料の閲覧・名簿・名鑑の閲覧・インターネット検索・過去の「裁定」結果の閲覧(←NEW)2) 広く権利者情報を保有していると認められると思われる者への照会・著作権等管理事業者等への照会(日本文芸家協会、JASRAC等)・同種著作物等について識見を有する法人等への照会・過去の「裁定」結果から、文化庁への照会(←NEW)3) 公衆に対する権利者情報の提供呼びかけ・日刊新聞紙への広告・著作権情報センター(CRIC)へのウェブサイト広告作品の作者(著作権者)に対して、1)2)3)すべての調査を行うことがミッション→労力を最小限にするには?7.「裁定制度」前に要求される権利調査 1) 権利者情報を掲載する資料の閲覧まず、切り出した「作者名」に対して、インターネット検索・国立国会図書館の著者典拠(書籍などから採取した著者データ)・wikipedia・コトバンク・weblio→没年が分かり、A)著作権切れ(没後51年)と判定できるケースがある→表記のユレや同一人物などの情報がわかるケースがある→出身地やゆかりの地、美術館所蔵、博物館所蔵などがあれば記録する→A)著作権切れと判断したケースは1012人中186件・国立国会図書館の著作権者情報公開調査システム→国立国会図書館が過去に調査した結果を確認できる→没年なとは著者典拠以上の情報はないが、他の作品名など確認できる・過去の裁定結果の閲覧(←NEW)8.手順1 インターネットによる調査 2) 広く権利者情報を保有していると認められると思われる者への照会「著作権等管理事業者等への照会」については、管理事業者がインターネット上にデータを公開しているケースがあり、今回は対象者のタイプ別にそれぞれ下記のデータベースを調査した。・日本文芸家協会(Excelシート配布)・日本美術家連盟、日本美術著作権連合(「APGデータベース」として公開)・JASRAC(Web検索システム)→これらに登録がある場合、B)「連絡先が明確」のケースと判断できる→52人が該当・過去の裁定結果の閲覧(←NEW)→ただしいずれも、結果的に連絡がつかないケースもあることに注意→ネット公開していない管理事業者の場合は問い合わせ8.手順1 インターネットによる調査(続) 1) 権利者情報を掲載する資料の閲覧「音楽・文藝・美術等の著作物の場合、名鑑等最低1冊」がミッション●『文藝年鑑』(2015)→最近の具体的な連絡先(住所・電話番号)がわかるため、B)と判断できる●『美術年鑑』(2015)については、現在の作者が中心で、連絡先も記載されていないケースが多い(所属はわかる)この場合、できるだけ当時の年鑑を閲覧せよと手引きにあるが、当時の年鑑は時代が古すぎて、連絡先も今現在はつながらない可能性が高く参考程度●『著作権台帳』(2001年第26版)→索引巻があり、そこから人名を調査→具体的な連絡先(住所・電話番号)がわかるため、B)と判断できる→ただし2001年現在の情報のため、結果的に連絡がつかないケースもある→以上で連絡先が判明したB)のケースは189件2)識見を有する法人等への照会→弥生美術館(後述)9.手順2インターネット以外の調査 3) 公衆に対する権利者情報の提供呼びかけ以上の調査で、表記のユレの確認→統合も行いC)D)タイプの不明者は556人→リストをとりまとめて「公衆に対する権利者情報の提供呼びかけ」を行う。→日刊新聞紙の掲載は現実的でないため、「著作権情報センター(CRIC)へのウェブサイト広告」を選択した。・「公益社団法人著作権情報センター」では「権利者捜し」の告知ページがあり、http://www.cric.or.jp/c_search/index.cgiここで7日間以上告知することで、3)の調査条件をクリアしたことになる。広告掲載は作品の数量にかかわらず1掲載8100円、申込書のメール受領から申請、広告料の払い込み後の承認を経て掲載まで、およそ3週間ぐらいの日程。→掲載内容に変更がある場合(人の追加など)は、再申請8100円がかかる。10.手順3WEBを使用した公開調査 ■一般的に「著作権情報センター(CRIC)へのウェブサイト広告」は「特定の作品」について掲載するケースが多い→直接人名を掲載する場合と、リストをPDFで掲載するケースがある→しかし、雑誌など作品や作者が多岐にわたる場合、「権利者捜し」の告知ページから他のサイトへリンクを貼り、そのサイトで一覧またはデータベースを公開する形をとる→今回はIRIサイト内に「権利調査」のためのデータベースを実装して、フォームから情報を寄せていただく形をとった(2015年12月28日から公開調査開始)IRI 権利者情報公開調査http://iri-project.org/kenrichousa/ 11.所蔵館ネットワークを利用した調査■「裁定制度」申請のための調査条件1)2)3)は達成したが、その他の調査アプローチを検証した。●「少女雑誌」を多数所蔵し、明治~昭和の少女文化全般の展示企画が多い「弥生美術館」へヒアリングを行った。→調査の結果、弥生美術館が連絡先を把握している人は不明556人のうち5人いることがわかった。●また、「出身地などはわかるが、没年や連絡先が不明」で、出身の地域資料や所蔵館ネットワークの調査で判明するかどうかの検証を数点行った。 一部事例のご紹介(調査継続中)●教育者「山下一夫」(植物に関する「植物随筆高嶺の花」文章を掲載)→検索したところ、某県立博物館の所蔵に山下一夫氏寄贈の「植物標本」があることがわかる→趣旨とともに問い合わせたところ、20年前の情報であるが連絡先は判明→連絡先への転送については、今回は対応できるが、博物館としての本来のサービスではないためケースバイケースであると返答いただいた。●版画家「深水正策」→ネット検索などで、長野県木曽郡木曽町福島出身であることがわかる→長野県県立図書館の資料では1973年の「アサヒ芸術年鑑」にて東京の住所の記載があることがわかったが、現在の住所とは異なる→郷土作家という形ではみなされていない→木曽町教育委員会を経て学芸員の方に東京の版画堂などをヒアリング調査していただいたが、手掛かりなし→版画展への出品記録はあるため、そこからの手かがりを探す→「太平洋美術会」に所属していたと記録があり、現在の連絡先を把握しているか太平洋美術会へ問い合わせ中12.調査結果報告(2015年2月26日時点)没年が明確で没後51年が経過存命または没後50年以下で連絡先が明確存命または没後50年以下で連絡先が不明没年が不明で連絡先も不明著作権消滅のため対応不要「裁定制度」へ手続き申請著作者、著作権継承者へ連絡と許諾申請(未作業)WEB公開調査情報あり情報なしABCD549人1012人中186人277人 13.最後に●IRIサイトに「権利調査」データベースシステムを実装→『少女画報』以外もデータベース掲載が可能今後も調査のお手伝いができれば幸いです。●実際に調査を行って→ネット上の検索などで調査メニューのハードルは下がっているが、それなりの労力は必要・明治~昭和のデータベースはまだ不完全→データベースの共有化をしたい・郷土資料、所蔵館ネットワークとの相互作用を今後も検討→MLA(所蔵館)にとってよりよい形にデータベース地域資料地域作家の顕彰


◯「戦後公文書のWEB公開における課題と対応~琉球政府文書公開の現場から~」

 琉球政府文書デジタル・アーカイブズ推進事業普及員 西山絵里子

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———————– Page 1———————– 2016/2/29 ( )Nansei 琉球政府⽂書デジタルアーカイブス推進事業IRIセミナー 「図書館における貴重書等資料のデジタル化と著作権処理」発表資料戦後公文書のWEB公開における課題と対応 〜琉球政府⽂書公開の現場から〜2016年2月29日 琉球政府⽂書デジタル・アーカイブズ推進事業 (沖縄県委託事業)普及員 ⻄⼭絵⾥⼦ ( )Nansei 琉球政府⽂書デジタルアーカイブス推進事業 本日のながれ1. 事業概要2. 事業の目的3. 事業の特⻑(先進性)4. 課題となったこと5. 課題に対する対応6. 資料公開へのステップ (案)〜個⼈情報編〜7. 資料公開へのステップ (案)〜著作物編〜8. 今後の展望とまとめ9. 最後に 1 1 ———————– Page 2———————– 2016/2/29 ( )Nansei 琉球政府⽂書デジタルアーカイブス推進事業 1. 事業概要 ・琉球政府及びそれに先⾏する⾏政機関が作成・収受した⽂書(約16万簿冊:沖縄県公文書館所蔵)の デジタル化 デジタルアーカイブ化によるWEB公開 ・沖縄県の事業として、平成25年度より資 のデジタル化を 開始 ・平成27年度はデジタル化と並⾏してデジタルアーカイブシステ ム構築 (公開に向けた準備)を実施中 ・本年3月より試験公開予定 ( )Nansei 琉球政府⽂書デジタルアーカイブス推進事業 1-1. 事業概要(琉球政府⽂書とは) 琉球政府⽂書: 米国統治期の「琉球列島」において、住⺠側の⾏政機構である 琉球政府で作成された公文書の総称 ①27 にわたる⽶軍占領・統治を沖縄の側から証言する文書 住⺠が求めた「自治」のあり方を検証する上で重要な文書 ②沖縄戦後史を明らかにする上で、統治者側 (米国)のUSCAR文書と双璧 をなす最重要資料群の⼀つ ③沖縄に存在した歴史資料は沖縄戦でほとんど焼失 地域に現存する歴史文化財としての重要性 【沖縄県】 【琉球政府】1972年〜 1995年〜 琉球政府⽴ 沖縄県⽴図書館沖縄県公文書館 沖縄史料編集所等 本⼟復帰に伴う閉庁後、⽂書は沖縄県に引き継がれ、沖縄県⽴図書館等に移管、その後沖縄県公⽂書館に移管 2 2 ———————– Page 3———————– 2016/2/29 (( ))NanNansseiei 琉球政府⽂書デ琉球政府⽂書デジジタタルアールアーカカイブイブスス推進事業推進事業2. 事業の目的世界的に貴重な公⽂書である琉球政府⽂書をインターネットで公開することにより 「県⺠の公平な利⽤」 及び 「国内外の沖縄研究の発展」を実現する ( )Nansei 琉球政府⽂書デジタルアーカイブス推進事業 3.事業の特⻑ (先進性) ・戦後公文書のWEB公開 公⽂書のなかには多種多様な資料が含まれる 権利関係が⾮常に複雑!個人情報著作物 (複写権・公衆送信権)写真 (肖像権) ・資料群のボリューム 約16万簿冊 システムの運⽤コスト・作業効率と品質のバランス 3 3 ———————– Page 4———————– 2016/2/29( )Nansei 琉球政府⽂書デジタルアーカイブス推進事業 4.課題となったこと1. 個人情報の判定基準は、WEBと館内閲覧基準と同じで良いのか? WEBの情報拡散性・不特定多数の⼈が閲覧可能な性質は 顔が⾒えるカウンター業務と異なるので同⼀視できないのでは?2. 著作物の判定 会社のパンフレット 映画の看板等の写真への映り込み 論⽂・新聞の切り抜き・・・・資料 度がわからない1つ1つ権利者を特定するのはほぼ不可能3. 肖像権をどこまで厳密にとるか4. マスキングした画像自体の公開について5. 公開画像の権利・⼆次利⽤についての⽅針( )Nansei 琉球政府⽂書デジタルアーカイブス推進事業 5.課題に対する対応 現環境下で実現可能な現環境下で実現可能な 最大限の努力最大限の努力理想と現実の折衷案理想と現実の折衷案1. 個人情報の判定基準沖縄県公⽂書館管理規則・沖縄県公⽂書館の判定基準に準拠 +WEB上で重くとるべき事項は別途抽出し、非公開(例:住所)2. 著作物 ・⾮公開(そもそも現在の著作権法上、著作物の公衆送信は不可) ・メタデータの充実 (どのような著作物が含まれるかを利⽤者に明⽰)3. 肖像権 公の事実・個⼈の不利益にならないかどうかを判断基準に公開判定 (例:OK:風景写真 NG :政治運動写真)4. マスキングした画像自体の公開について原則非公開。試験公開では⼀部公開し、利⽤者の判断を仰5. 資 画像にはCCBYを採⽤し、権利情報を明⽰ 44 ———————– Page 5———————–2016/2/29 ( )Nansei 琉球政府⽂書デジタルアーカイブス推進事業前提 :6. 公開へのステップ (案) 公的・個⼈の不利益となる情報は非開示〜個⼈情報編〜 ④制限年数超過資 の確認 公開 ③制限年数を超過作業ルーチン化 資 公開 ②マスキング画像 公開 ①マスキング画像 公開NG今ここ レファレンス体制の構築・有識者会議 ・運⽤フローの確⽴ ・利⽤者意⾒の分析・利⽤者意⾒の分析 ・根拠規定・方針の策定 (継続)・カイゼンステップアップのための活動例 あくまでも⼀例でこの⽅針で動くかは未定。今後、沖縄県と調整を要する。 ( )Nansei 琉球政府⽂書デジタルアーカイブス推進事業前提 :7. 公開へのステップ (案) 公的・個⼈の不利益となる情報は非開示〜著作物編〜 ④資 画像公開 ③マスキング画像 公開 ②メタデータの充実現法律下では ①マスキング画像 まだ難しい 公開NG今ここ試⾏中 ・レファレンス体制の構築 次年度本格化ステップアップのための活動例 あくまでも⼀例でこの⽅針で動くかは未定。今後、沖縄県と調整を要する。 5 5 ———————– Page 6———————– 2016/2/29 ( )Nansei 琉球政府⽂書デジタルアーカイブス推進事業8. 今後の展望とまとめ課題は様々ありますが・・・・①現法令下で現場レベルで可能なことからコツコツと ・メタデータの充実 ・普及活動 ・現場のチーム⼒が必須②有識者のみなさまのお知恵をお借りする ・方針提案へのステップに③利⽤者の声 ・誰のための事業であるか、初心に振り返る ( )Nansei 琉球政府⽂書デジタルアーカイブス推進事業9. 最後に 未知の課題への挑 ⼈と⼈、組織間のつながりを⼤切に 知恵を共有して貴重な知的資源を未来へつな ちょっと宣伝・・・・・ 3⽉下旬より琉球政府デジタル・アーカイブズが試験公開されます アンケートページを設ける予定ですので是⾮ご協⼒をよろしくお願いします 経験豊富なみなさまのお知恵をお借りし、よりよい事業にしたいです 66 ———————– Page 7———————– 2016/2/29 ( )Nansei 琉球政府⽂書デジタルアーカイブス推進事業 MEMO 77


◯パネルディスカッション
「地域資料の権利処理に関する課題と解決に向けて」

 登壇者:県立長野図書館館長 平賀研也
秋田県立図書館副館長 山崎博樹
(前出)西山絵里子
(前出)池川佳宏

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来場者からの質問の様子
質問コーナー

セミナー終了後もたくさんの方からご質問をいただきました。
権利処理に関する新たな課題も見つかり、次回に繋げていければと考えています。
ご来場くださった皆さま、本当にありがとうございました。


配布資料

資料1:国立国会図書館 南亮一、『図書館と著作権』

Page1平成27年度図書館職員専門研修図書館と著作権—著作権法の知識と判断基準—南亮一(国立国会図書館)bzm02120@nifty.comこのスライドはクリエイティブ・コモンズ表示-非営利4.0国際ライセンスの下に提供されています。1Page2本日の構成•著作権法の解釈の「考え方」とは?•著作権とは?•それぞれのサービスとの関係o閲覧/上映、貸出し、複写、引用・転載、ネット上の画像等の利用•「権利制限規定」が適用できないときは?2Page3著作権法の解釈の「考え方」とは?平成27年度図書館職員専門研修図書館と著作権—著作権法の知識と判断基準—3Page4著作権法の解釈の「考え方」とは?•我々はどこまで知っていなければならないのか?「(国家賠償法1条の過失に関して)判例は・・・公務員が職務上要求される標準的な注意義務に違反していると認められれば、過失を肯認する」原田尚彦「行政法要論(全訂7版補訂2版)」(学陽書房,2012)⇒「職務上要求される標準的な注意義務」の範囲を学ぶ必要がある。4Page5著作権法の解釈の「考え方」とは?「ある事項に関する法律解釈につき異なる見解が対立して疑義を生じ、拠るべき明確な判例、学説がなく、実務上の取扱いも分かれていて、そのいずれについても一応の論拠が認められる場合に、公務員がその一方の解釈に立脚して公務を執行したときは、後にその執行が違法と判断されたからといつて、ただちに右公務員に過失があつたものとすることは相当ではな(い)」最判昭和49年12月21日(旧競売法に基づく不動産競売手続に関する判決)⇒「拠るべき明確な判例・学説」に基づく公務の執行⇒解釈の論拠を踏まえた公務の執行の必要性5Page6著作権法の解釈の「考え方」とは?•著作権法の解釈のよりどころとは?o裁判所の判決⇒じつはほとんどない。o著作権法学者等の見解:逐条解説書・概説書を読む。o法制定時の背景(=立法者意思):法案作成の際にどのような考えでその法案を作ったか。⇒国会会議録・審議会報告書・文化庁担当者による解説記事o文化庁の見解⇒逐条解説書あり。o文化庁や著作権関係団体等のQ&A⇒でも読むのは大変だし、図書館業務に寄り添って書かれているわけではない。6Page7著作権法の解釈の「考え方」とは?•そこで業界団体の登場!o全国公共図書館協議会、国公私立大学図書館協力委員会、専門図書館協議会、全国学校図書館協議会、日本図書館協会等の団体が、実務の観点から、解説書やQ&A集の出版、研修会の開催等により、実務的な観点から考え方の説明をしている。⇒ただ、ここで示された解釈が本当に正しいかわかりませんし、ピッタリ当てはまる事例がないことも。あくまで「目安」と考えるべき。(この私の講義内容もそうです!)7Page8Q&A•著作権なるほど質問箱(文化庁HP)http://chosakuken.bunka.go.jp/naruhodo/•大学図書館における著作権問題Q&A(第8版)http://www.janul.jp/j/documents/coop/copyrightQA_v8.pdf•著作権Q&A(著作権情報センターHP)http://www.cric.or.jp/qa/index.html8Page9Q&A•著作権なるほど質問箱(文化庁HP)9Page10Q&A•著作権なるほど質問箱(文化庁HP)10Page11Q&A•大学図書館における著作権問題Q&A(第8版)11Page12Q&A•大学図書館における著作権問題Q&A(第8版)12Page13Q&A•大学図書館における著作権問題Q&A(第8版)13Page14情報源【逐条解説書】•加戸守行著.著作権法逐条講義.6訂新版.著作権情報センター,2013.8.1070p;ISBN978-4-88526-073-5:•小倉秀夫,金井重彦編著.著作権法コンメンタール.レクシスネクシス・ジャパン,2013.5.1777p;ISBN978-4-902625-69-1:•半田正夫,松田政行編.著作権法コンメンタール.第2版.勁草書房,2015.12.〔3分冊〕•文化庁文化部著作権課内著作権法令研究会編.著作権関係法令実務提要.第一法規出版,1980.8-冊(加除式);【概説書】•中山信弘著.著作権法.第2版.有斐閣,2014.10.689p;ISBN978-4-641-14469-9:•作花文雄著.詳解著作権法.第4版.ぎょうせい,2010.4.909p;ISBN978-4-324-08975-0:14Page15情報源【審議会報告書等】•文化庁HP内「文化審議会著作権分科会」のページhttp://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/chosakuken/•同「最近の法改正等について」のページhttp://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/hokaisei/•雑誌『コピライト』等に掲載の文化庁著作権課作成の法改正解説記事•著作権情報センターHP内「著作権審議会/文化審議会分科会報告」のページhttp://www.cric.or.jp/db/report/index.html15Page16情報源•文化審議会著作権分科会のページ(文化庁HP)16Page17情報源•最近の法改正等のページ(文化庁HP)17Page18ガイドライン等【権利者団体との協議の成果としてのガイドライン】•日本複写権センター「複写に関するガイドライン(案)」(1993年6月17日)*URLは「抜粋」版http://www.tsc.u-tokai.ac.jp/ctosho/lib/topic/fuku_guide.pdf•「著作権法第31条に関する2つのガイドライン」(平成18年1月1日)http://www.jla.or.jp/library/gudeline/tabid/239/Default.aspxo「図書館間協力で借り受けた図書の複製に関するガイドライン」o「複製物の写り込みに関するガイドライン」•「図書館の障害者サービスにおける著作権法第37条第3項に基づく著作物の複製等に関するガイドライン」(平成22年2月18日)https://www.jla.or.jp/portals/0/html/20100218.html18Page19ガイドライン等【図書館団体等が解釈の指針として示したガイドライン等】•全国公共図書館協議会「公立図書館における複写サービスガイドライン」(平成24年7月6日)http://www.library.metro.tokyo.jp/Portals/0/zenkouto/pdf/hukusyasabisu.pdf•佐賀県立図書館「児童書の表紙画像の利用についてのページ」http://www.tosyo-saga.jp/kentosyo/jidouhyoushi/【著作権者団体が解釈の指針として示したガイドライン】•著作権法第35条ガイドライン協議会「学校その他の教育機関における著作物の複製に関する著作権法第35条ガイドライン」(平成16年3月)http://jbpa.or.jp/pdf/guideline/act_article35_guideline.pdf•児童書四者懇談会「お話会・読み聞かせ団体等による著作物の利用について」(平成19年4月2日)http://www.jbpa.or.jp/guideline/readto.html19Page20図書館団体による解説書等•日本図書館協会障害者サービス委員会,著作権委員会編.障害者サービスと著作権法.日本図書館協会,2014.9.131p;ISBN978-4-8204-1409-4:•森田盛行.気になる著作権Q&A.シリーズはじめよう学校図書館8.全国学校図書館協議会,2013.7.51p;ISBN978-4-7933-2288-4:•専門図書館協議会.専門図書館と著作権Q&A2012.専門図書館協議会,2012.9.•日本図書館協会著作権委員会編.図書館サービスと著作権.改訂第3版.日本図書館協会,2007.5.282p;ISBN978-4-8204-0705-8:•【再掲】大学図書館における著作権問題Q&A(第8版)http://www.janul.jp/j/documents/coop/copyrightQA_v8.pdf20Page21著作権とは?平成27年度図書館職員専門研修図書館と著作権—著作権法の知識と判断基準—21Page22著作権とは?•著作権:「著作物」を使うときに働く権利。•原則として著作者(著作物を作った人)が持っている。(例外)o「職務著作」:作った人が所属する組織が著作者となる場合。o著作者が著作権を譲渡したり相続により著作権が移転した場合(この場合の著作権を持つ人のことを「著作権者」といいます)22Page23著作権とは?(続)•(あまりピンと来ないかもしれませんが)著作物を使う場合には、著作(権)者から許諾を得なければなりません。•ただ、例外がいろいろと…。【主な例外】1.特別の定め(「権利制限規定」)がある場合2.著作権が切れている(消滅している)場合3.その他(法令・通達・判決文など)⇒このため、ほとんどの場合に許諾を得なくてよいようになっています!23Page24許諾が必要かのチェックリスト著作権が働か権利制限規定保護期間が満ない行為かが適用可能か了しているか著作物でない保護対象の著か作物でないか24Page25「著作隣接権」について•著作権法では、「著作権」とは別に、「実演」(演奏、歌唱、演技、演芸、指揮、演出…)、「レコード」、「放送」、「有線放送」を「著作隣接権」という権利で保護。•権利の働き方が「著作権」とほぼ同一で、放送番組やレコードを使う場合などだけにしか関係しませんので、今回は説明を省略します。25Page26著作権法の解釈不要の場合•使用許諾条件が定められている場合o商用オンラインデータベースなど•(一定範囲での)自由利用を許諾する表示がある場合o文化庁の「自由利用マーク」(ほとんどない)oクリエイティブコモンズ・ライセンス(ネット上など)oEYEマーク•※利用を制約する表示については基本的に従う必要はない。(例:「禁無断転載」など)26Page27著作権法の解釈不要の場合商用オンラインデータベースの例(例)聞蔵IIビジュアル利用規約【公共図書館用】2.利用者は、認証端末における1回の利用につき、次の範囲でプリントアウトができますが、同一データを複数プリントアウトしたり、プリントアウトしたデータをさらに複製したりすることはできません。また、利用者が本項のプリントアウトを行う回数は、利用者お一人1日当たり2回までを限度とします。(1)見出しまでの検索結果:最大1000件(2)記事本文(テキスト・イメージ):最大50件(3)人物データ:最大50件(4)紙面イメージ:最大50件(5)歴史アーカイブデータ:最大50件(6)知恵蔵データ:最大50件27Page28著作権法の解釈不要の場合自由利用を認める表示の例クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの一例http://creativecommons.jp/licenses/28Page29どういう場合に著作権が働くか•「著作権」は大きく「著作者人格権」と「著作権」に別れる。•著作者人格権権利の名称根拠条文内容公表権18条公表するか否か、公表するタイミングを決定※日記、書簡の閲覧で関係氏名表示権19条名前を出すか、出すならどういう名前にするかを決定同一性保持権20条題号や中身を無断で改変されない。(やむを得ない場合は除く)※複写の縦横比の変更などで関係※白黒コピーは「やむを得ない」29Page30どういう場合に著作権が働くか•著作権権利の名称根拠条文具体例複製権21条コピー、デジタル化、録音録画など上演・演奏権22条レコード再生など上映権22条の2DVD・マイクロ資料の閲覧・上映など公衆送信権23条1項メール配信、放送、アップロードなど伝達権23条2項街頭テレビ、サウナ・美容室などでの受信口述権24条朗読展示権25条(美術・未公表写真の)展示頒布権26条ビデオソフトの貸出、新品販売譲渡権26条の2新品販売貸与権26条の3資料の貸出し(ビデオソフトを除く)翻訳・翻案権27条和訳、立体化、平面化、映画化など30Page31どういう場合に著作権が働くか•複写=複製に該当。「複製権」•貸出o映画:頒布に該当。「頒布権」o映画以外:貸与に該当。「貸与権」•閲覧o端末・モニタを通じて:上映に該当。「上映権」o音楽CDなど:演奏に該当。「演奏権」o紙媒体:著作権は働かない!31Page32著作権が働かないのは?•紙の資料の閲覧サービスcf)マンガ喫茶の営業形態•新聞原紙から記事を切り抜き、スクラップ帳に貼付して閲覧に供する。cf)新聞からコピーしたものを貼るとו本の表紙カバーを外して新刊案内として掲示•本の表紙カバーを切り取ってしおりなどに作り替える。cf)表紙を描いたり、コピーして活用するとוリンクを貼る。32Page33それじゃどうして許諾要らないの?著作権が働か権利制限規定保護期間が満ない行為かが適用可能か了しているかほとんどがこの規定を適用する著作物でない保護対象の著ことで許諾不要に。か作物か33Page34それぞれのサービスとの関係平成27年度図書館職員専門研修図書館と著作権—著作権法の知識と判断基準—34Page35はじめに•ここでは、「権利制限規定」について、それぞれのサービスごとにどのように適用されるかについて説明します。•「権利制限規定」:一定の条件(公益目的など)を満たせば、著作(権)者からの許諾を得なくてよいとする規定。•日常行っている著作物の利用のほとんどについて著作(権)者からの許諾が不要なのは、この権利制限規定によるもの。35Page36許諾が要るかのチェックリスト著作権が働か権利制限規定保護期間が満ない行為かが適用可能か了しているか著作物でない保護対象の著主にココについか作物でないかて説明します。36Page37主な権利制限規定名称根拠条文具体例私的使用のための複製30条1項ビデオ録画、模写、コンビニコピーなど図書館等における複製31条1項コピーサービス、保存のための複製など引用32条1項批評や紹介のために文章や絵などを掲載授業のための複製35条1項学校の授業の教材にするための複製点字による複製等37条1・2項点字図書や点字データの作成、送信視覚障害者等への複製等37条3項録音図書・拡大本等の作成、ネット配信非営利・無料の上映等38条1項非営利・無料による演奏・口述・上映など非営利・無料の貸与38条4項非営利・無料による貸出し翻訳・翻案による利用43条権利制限の対象行為に翻訳・翻案を追加複製物の譲渡47条の9権利制限規定の目的内で譲渡OK37Page38はじめに問:日本においてフェアユースを主張された場合にどのように判断すればよいか。図書館内においては図書館が規定する基準において運用するということでよいのだろうが、例えば外部団体に協力する形で何かの事業をやるような場合に、図書館館内と同じ基準で判断してよいのか(主にボランティアグループなど)迷うことがある。答:誰が行うかで適用される権利制限規定が異なることがあります。ただ、図書館が行う場合にだけ適用されるかどうかが決まるものは、著作権法31条と37条3項だけです。なので、複写サービスと録音図書等の製作を除けば、図書館が行ってOKなのはボランティアがやってもOKのはずです。38Page39はじめに取り上げる図書館サービス1.閲覧/上映2.貸出し3.複写4.引用・転載5.ネット上の画像等の利用39Page401.閲覧/上映3つに分類できます。1.ディスプレイ・モニタを通じて見せる場合2.音楽を聴いてもらう場合3.紙の資料(書籍、雑誌など)を見てもらう場合40Page411.閲覧/上映1.ディスプレイ・モニタを通じて見せる場合•「上映」(著作権法第2条第1項第16号)に該当。•「上映権」(同第22条の2)の対象に。•「非営利・無料」の上映(同第38条第1項)に該当。∴著作権者からの許諾は不要。41Page421.閲覧/上映•法2条1項16号十六上映著作物(公衆送信されるものを除く。)を映写幕その他の物に映写することをいい、これに伴って映画の著作物において固定されている音を再生することを含むものとする。⇒映画の上映以外にも、画像ファイル(静止画)・文書などをモニタやディスプレイに映し出す行為も含まれます。また、AVブースで見せる行為も含まれます。•法22条の2(上映権)「著作者は、その著作物を公に上映する権利を専有する」42Page431.閲覧/上映•法38条1項(非営利・無料の上演等)「公表された著作物は、営利を目的とせず、かつ、聴衆又は観衆から料金(いずれの名義をもってするかを問わず、著作物の提供又は提示につき受ける対価をいう。以下この条において同じ。)を受けない場合には、公に上演し、演奏し、上映し、又は口述することができる。ただし、当該上演、演奏、上映又は口述について実演家又は口述を行う者に対し報酬が支払われる場合は、この限りでない。」⇒この規定は閲覧サービス以外にも様々なところで適用される重要な規定です。•有料化すると許諾が必要に!43Page44許諾が要るかのチェックリスト上映に該当。上映権非営利・無料の上映保護期間が満了しての対象に。(著38①)に該当。いるか保護対象の著作物で著作物でないかないか44Page45発展:上映会は?•法38条1項は映画の上映一般にも適用可能な条文ですが、上映会については制約が。なぜ?•ビデオが普及した1980年ごろからビデオ業者や劇場主からクレームが発生し始めました。•この対応のため、(社)日本図書館協会と(社)日本映像ソフト協会が協議を行い、上映会のためのガイドラインとなる「合意書」(2001.12.12)を策定。•以後はだいたいこのガイドラインに沿った運用が行われています。(ビデオ・映画関係者との摩擦回避のため)45Page46発展:上映会は?•「合意書」の内容(i)対象となる「上映」:上映会。館内視聴は対象外。(ii)対象となる資料:ビデオ、DVD。フィルムは対象外。(iii)内容:①「上映権付き」は無条件OK。それ以外でも「16mm興行、ビデオレンタルショップやビデオ販売業務などで同一著作物の商業的利用が行われているとき」でなければOK。•上映権付きビデオは通常は自館のみの使用に限定と思われます(詳細は利用条件をご確認ください)。•⇒「著作権法の解釈不要の場合」へ!場合によっては許諾を取った方がよい場合もあります。46Page471.閲覧/上映2.音楽を聴いてもらう場合•「演奏」(著作権法第2条第7項)に該当。•「演奏権」(同第22条)の対象に。•「非営利・無料」の演奏(同第38条第1項)に該当。∴著作権者からの許諾は不要。47Page481.閲覧/上映•法2条7項「この法律において、「上演」、「演奏」又は「口述」には、著作物の上演、演奏又は口述で録音され、又は録画されたものを再生すること(公衆送信又は上映に該当するものを除く。)及び著作物の上演、演奏又は口述を電気通信設備を用いて伝達すること(公衆送信に該当するものを除く。)を含むものとする。•法22条(上演権及び演奏権)「著作者は、その著作物を、公衆に直接見せ又は聞かせることを目的として(以下「公に」という。)上演し、又は演奏する権利を専有する」48Page491.閲覧/上映•法38条1項(非営利・無料の上演等)「公表された著作物は、営利を目的とせず、かつ、聴衆又は観衆から料金(いずれの名義をもってするかを問わず、著作物の提供又は提示につき受ける対価をいう。以下この条において同じ。)を受けない場合には、公に上演し、演奏し、上映し、又は口述することができる。ただし、当該上演、演奏、上映又は口述について実演家又は口述を行う者に対し報酬が支払われる場合は、この限りでない。」•これについても、有料化すると許諾が必要に!49Page501.閲覧/上映3.紙の資料(書籍、雑誌など)を見てもらう場合⇒著作権は働きません!•展示権:美術・写真の著作物の原作品のみ適用。•貸与権:施設外持ち出しの場合のみ適用。典型例:まんが喫茶2003年ごろ漫画家の団体がまんが喫茶を著作権で規制しようとしたがこの事実に気付いたため取りやめたことが。(ゲームソフト、DVDソフト等は権利処理済)50Page512.貸出し•貸出対象となる著作物が映画かそうでないかで変わってきます。•映画⇒著作権者(=映画製作者、楽曲の著作権者など)の許諾が必要。•それ以外⇒許諾不要。•なお、有償で貸し出す場合は要許諾。※中央館⇔分館の映画DVDソフトの「貸出」は保管場所の移動に過ぎないので「貸与」には当たらない(許諾不要)かと思います。51Page522.貸出し•法26条の3(貸与権)「著作者は、その著作物(映画の著作物を除く。)をその複製物(映画の著作物において複製されている著作物にあつては、当該映画の著作物の複製物を除く。)の貸与により公衆に提供する権利を専有する。」•法26条(頒布権)「著作者は、その映画の著作物をその複製物により頒布する権利を専有する。2著作者は、映画の著作物において複製されているその著作物を当該映画の著作物の複製物により頒布する権利を専有する。」52Page532.貸出し•法2条1項19号「十九頒布有償であるか又は無償であるかを問わず、複製物を公衆に譲渡し、又は貸与することをいい、映画の著作物又は映画の著作物において複製されている著作物にあつては、これらの著作物を公衆に提示することを目的として当該映画の著作物の複製物を譲渡し、又は貸与することを含むものとする。」53Page542.貸出し•法38条4項(非営利・無料の貸与)「公表された著作物(映画の著作物を除く。)は、営利を目的とせず、かつ、その複製物の貸与を受ける者から料金を受けない場合には、その複製物(映画の著作物において複製されている著作物であつては、当該映画の著作物の複製物を除く。)の貸与により公衆に提供することができる。」•映画の著作物が徹底的に取り除かれている!•映画の著作物の複製物の非営利・無料の貸与の規定(法38条5項)はあるが、図書館の貸出については適用できる状況になっていない。54Page552.貸出し•書籍・雑誌の付録CD-ROMやDVDの貸出中に「映画の著作物」があるかどうかで決定。ある⇒原則として貸出できない。ない⇒貸出可能いちいち「映画の著作物」のありなしを確認!?⇒JEPAの「図書館館外貸出可否識別マーク」http://www.jepa.or.jp/jmark/CDlogo.html55Page563.複写•「複製」(著作権法2条1項15号)に該当。•「複製権」(著作権法21条)が働く。•館種・サービス内容によっては「権利制限規定」が適用可能に。o国立国会図書館、公共図書館、大学図書館など⇒著作権法31条1項1号o学校図書館⇒著作権法35条1項(先生や生徒の「手足」として)oその他適用可能なものも(行政・立法機関での内部資料:著作権法42条1項など)56Page573.複写•著作権法2条1項15号十五複製印刷、写真、複写、録音、録画その他の方法により有形的に再製することをいい、次に掲げるものについては、それぞれ次に掲げる行為を含むものとする。イ・ロ〔略〕•著作権法21条(複製権)「著作者は、その著作物を複製する権利を専有する」∴「権利制限規定」を適用しないと、著作権者からの許諾が必要となる。57Page58許諾が要るかのチェックリスト(実際上)著31①、著35、著複写は「複製」。複保護期間が満了して42等に当てはまるか製権が働くいるかどうか保護対象の著作物で著作物でないかないか58Page593.複写複写サービスに適用可能な権利制限規定一覧条文番号複写の主体複写物の使用複写対複写可能範囲目的象資料31条1項公共・大学図書調査研究所蔵資原則として著1号館等料作物の一部分35条1項授業を担任/受授業の過程に制限な必要と認めらける者(*)おける使用し(*)れる限度内42条1項限定なし裁判・立法行制限な必要と認めら政内部資料しれる限度内42条2項限定なし特許・薬事関制限な必要と認めら係手続しれる限度内(参考)複写物を使用す個人的・家庭制限な制限なし30条1項る人内などし(*)学校図書館はこれらの者の「手足」としてのみ複写可。またこの場合は、自館所蔵資料に限定されると解釈。59Page603.複写•公共図書館、大学図書館などの複写サービス⇒著作権法31条1項1号を適用してコピーサービスを行うことが一般的。著作権法31条1項1号では、1.著作権チェックの実施の必要性2.複写料金の上限(実費相当分)3.インターネットHPのプリントアウトなどを除外4.利用者からの求めに応じること5.調査研究目的に限定6.複写可能範囲を「著作物の一部分」(「発行後相当期間」経過後の新聞雑誌等の掲載記事論文は全部OK)に制限7.一人につき一部という様々な要件が定められています。60Page613.複写(図書館等における複製等)第三十一条国立国会図書館及び図書、記録その他の資料を公衆の利用に供することを目的とする図書館その他の施設で政令で定めるもの(以下この項及び第三項において「図書館等」という。)においては、次に掲げる場合には、その営利を目的としない事業として、図書館等の図書、記録その他の資料(以下この条において「図書館資料」という。)を用いて著作物を複製することができる。一図書館等の利用者の求めに応じ、その調査研究の用に供するために、公表された著作物の一部分(発行後相当期間を経過した定期刊行物に掲載された個々の著作物にあつては、その全部。第三項において同じ。)の複製物を一人につき一部提供する場合(以下略)61Page623.複写関係するガイドライン•日本複写権センター「複写に関するガイドライン(案)」(1993年6月17日)*URLは「抜粋」版http://www.tsc.u-tokai.ac.jp/ctosho/lib/topic/fuku_guide.pdf•「著作権法第31条に関する2つのガイドライン」(平成18年1月1日)http://www.jla.or.jp/library/gudeline/tabid/239/Default.aspxo「図書館間協力で借り受けた図書の複製に関するガイドライン」o「複製物の写り込みに関するガイドライン」•全国公共図書館協議会「公立図書館における複写サービスガイドライン」(平成24年7月6日)http://www.library.metro.tokyo.jp/Portals/0/zenkouto/pdf/hukusyasabisu.pdf62Page633.複写問1著作権チェック(複写申込書記入)がなぜ必要なのか?答1著作権法第31条第1項が適用される場合の複写の「主体」を図書館と解釈するための要件の一つとして、著作権チェックを行う必要があるとされているため。具体的には、「複写に関するガイドライン(案)」における要件を満たすために必要。参考)全公図「複写サービスガイドライン」3(1)・(2)63Page643.複写o著作権チェックを行わなければならない根拠著作権法第31条に該当しない複写〔①・②略〕③コイン式複写機器等による複写ただし、次の4条件を満たす場合は、図書館等による複写に準じて取り扱う。(1)使用するコイン式複写機は、図書館等による複写に準じて取り扱う。(2)利用者は、図書館等に複写の申し込みをしなければならないこと。(3)図書館等は、この申し込みについて、適法なものか否か厳格な審査を行うこと(4)複写後、図書館等は、作成された複写物が申し込みの内容と合致しているか否かを厳格に審査すること〔以下略〕「複写に関するガイドライン(案)」(1993.6.17日本複写権センターから協力委員会に提案)⇒この基準は業者委託の場合にも事実上適用されていることから、すべての場合において著作権チェックが必要なものと解されることになります。64Page653.複写•著作権法第31条第1項が図書館にコピーサービスを義務づけるものではないとする根拠著作権法31条1号…は、…著作権者の専有する複製権の及ばない例外として、一定の要件のもとに図書館において一定の範囲での著作物を複製することができるとしたものであり、図書館に対し、複製物提供業務を行うことを義務付けたり、蔵書の複製権を与えたものではない。ましてや、この規定をもって、図書館利用者に図書館の蔵書の複製権あるいは一部の複製をする権利を定めた規定と解することはできない。「多摩市立図書館事件判決」(東京地方裁判所平成7年4月28日判決)参考)全公図「複写サービスガイドライン」2(6)65Page663.複写問3著作権法第31条第1項に基づいて行う複写サービスの料金の上限額は定まっているか?答3著作権法第31条第1項には「その営利を目的としない事業として」という定めがあり、実費を徴収するのは差し支えないものの、実費額をはるかに超える額を徴収する場合については、営利的色彩を帯びるとされています。したがって、実費額相当分が上限とみるべきと考えます。66Page673.複写•「その営利を目的としない事業」の意味図書館の施設が複製できるのは、その営利を目的としない事業としてでありますから、官公施設や公益法人施設が利用者から実費を徴収するのは差し支えありませんが、実費名目でも、複写設備維持費・用紙代・人件費等の実額をはるかに超える費用を徴収するときは、営利的色彩を帯びるものとして、脱法行為のそしりを免れません。(加戸守行『著作権法逐条講義六訂新版』著作権情報センター,2013,p.255-256.)※ただ、現実的には、大多数の公立図書館では1枚10円といった安価で提供しているため、この規定の意味はほとんどない?67Page683.複写問4図書館においてインターネットのホームページのプリントアウトを提供することは可能か。答4著作権法第31条第1項には「図書館等の図書、記録その他の図書館資料」に限り複製の対象とすることができる旨定められていますので、「図書館等の」図書館資料とはいえないインターネットのホームページはその対象とはなりません。したがって、プリントアウト提供は原則としてできないことになります。68Page693.複写•「図書館等の図書、記録その他の資料(以下この条において「図書館資料」という。)を用いて」の意味図書館等の施設において複製の対象となり得るのは、図書館等の図書・記録その他の資料に収録されている著作物ということであります。単に図書館等の資料と書いてありますが、全国津々浦々の施設にある資料をどれでもコピーできるということではなく、複製しようとする施設の蔵書とか保管資料を意味するものであります。(加戸守行『著作権法逐条講義六訂新版』著作権情報センター,2013,p.256.)∴他館借受資料とインターネットHPは除外。参考)全公図「複写サービスガイドライン」2(2)69Page703.複写問5他の自治体の図書館から借り受けた図書館資料の複写サービスを提供することは可能か。答5著作権法第31条第1項には「図書館等の図書、記録その他の図書館資料」に限り複製の対象とすることができる旨定められていますので、インターネットのホームページと同様、「図書館等の」図書館資料とはいえない借受資料はその対象とはなりません。ただ、権利者団体の理解を得て図書館団体が策定したガイドラインの要件を満たせば、提供しても事実上差し支えないと考えられています。70Page713.複写他館借受資料については、「借受ガイドライン」により図書に限り一定条件で認められることに。3.このガイドラインによって複製物を提供する図書館においては、利用者が求める図書の提供に当たっては、購入その他の手段により自館において構築した自館の蔵書によるべきであり、他館から図書を借用して提供するのは、それが入手困難な場合と、利用者が求める図書が自館の蔵書構築方針の観点から著しく例外的である場合に限ることを原則とする。4.前項の「入手困難な場合」とは、以下の場合を指す。(1)研究報告書であるなどの理由で一般市場に出回っていない場合、あるいは、絶版となったり、在庫状況が確認できないなどの理由で直ちに購入することが著しく困難である場合(2)購入する予算を直ちには準備することができない場合、あるいは、全館セットでしか購入できない複数巻の図書などのように、購入・予約方式などの点で直ちに購入することが著しく困難である場合。71Page723.複写問6CD-ROMやDVDなどに登載された文書や図画も著作権法第31条第1項による複写サービスの対象とできるのか。答6著作権法第31条第1項に定められている「図書館等の図書、記録その他の図書館資料」には、CD-ROMやDVDなどのような電子媒体に含まれる資料(電子資料)も対象となります。ただ、同項第1号に定められている複写範囲の上限である「著作物の一部分」の画定が難しいのではないかと思われます。72Page733.複写電子資料のプリントアウトサービスを可能とする根拠…このように「刊行物」に電子媒体が含まれることとした場合、第31条第1号の図書館等における複製の対象となる「定期刊行物」にもCD-ROM等の電子媒体が含まれることとなるが、この点についてもこれらの電子媒体が紙媒体と同様に取り扱われている実態からすると、電子媒体を含むこととしても差し支えないと考えられる。電子媒体による「定期刊行物」についても、第31条により認められる複製の範囲は紙媒体の場合と変わらない。「著作権審議会第1小委員会審議のまとめ」(平成12年12月著作権審議会第1小委員会)http://www.cric.or.jp/houkoku/h12_12a/h12_12a.htmlのII(1)73Page743.複写問7著作権法第31条第1項第1号による複写サービスの対象者に限定はありますか。答7かつては、来館による利用者しか対象にならないとか、企業・団体は対象外であるとの解釈もみられましたが、現在では、郵送や電子メール、ウェブフォームによる複写申込みを行った人でも、企業・団体でも対象であるとの解釈が一般的です。また、企業名の領収書は発行できないという解釈もみられましたが、そのような制限はないとの解釈が一般的です。74Page753.複写•「図書館等の利用者の求めに応じ」の意味⇒「図書館の利用者」:遠隔複写の利用者や法人等も含む。(かつては直接来館者のみを指すこととされていた)著作権法第31条に該当しない複写⑤来館者以外の者に提供する複写(ただし、当分の間、郵便の往復による利用者への直接の提供の場合は来館者の提供に準じて取り扱う。)「複写に関するガイドライン(案)」(1993.6.17日本複写権センターから協力委員会に提案)⇒「求めに応じ」:具体的な申込みがあってから複製するということを意味する。SDIサービスのように、あらかじめ関心分野を登録してその関心分野に合ったと思われる文献を複写して提供する、というものは、具体的な申込みがないため同条では読めない。また、事前に予測して溜めておくような場合も読めない。75Page763.複写•「調査研究」の意味(i)娯楽、営業活動などを除外する。(ii)「個人の私的な調査研究」に限らない。団体の調査研究、営利目的の調査研究(得意先の事務所までの経路を調べる、商品開発の参考とするためのニーズ調査、市場調査など)も含まれる。鈴木「では、このいわゆる“調査研究”の目的が、営利であるか、非営利的であるかは必ずしも関係ないのですね」佐野「依頼者の調査研究の用に供するものであれば、複製できるわけです」佐野文一郎・鈴木敏夫著『改訂新著作権法問答』(昭和54年、出版開発社)p.254∴企業を宛名とする領収書を発行してもかまわない。76Page773.複写•「著作物の一部分」の意味⇒「著作物」≠「資料」∴論文集・短編集⇒論文・短編の一部分写真集・画集・書集⇒写真や絵画、書の一部分歌集・楽譜集・歌詞カード⇒1曲の半分CDやレコードのジャケット⇒その半分一枚ものの地図⇒地図の半分住宅地図⇒見開きの半分俳句・短歌・詩歌・事典の一項目⇒その半分。ただし、「写り込みガイドライン」で事実上複写可に。*楽譜、地図、写真集・画集(書も)、雑誌の最新号は除外。参考)全公図「複写サービスガイドライン」2(4)イ・ウ77Page783.複写問:美術品の写真のコピーについて書画、絵画等の平面的な美術品のコピーについては、没後50年を経過していれば複写が可能か。また、このような美術作品の複写について実際の運用としてどのようにするのがよいか。答:二次元の物を複製するために撮影された写真については、著作権が認められていません。このため、没後50年を経過していれば全部を複写することが可能です。実際には…色々方法はあるかと思いますが、例えば、申込の際に没年を申し添えてもらうという方法があるかと思います(もちろんピカソなどのように自明の場合は特に不要かと思いますが)参考)「著作物にはどんな種類がある?」(著作権情報センターHP)http://www.cric.or.jp/qa/hajime/hajime1.html78Page793.複写問:楽譜の複写について作曲者、作詞者、編曲者等異なるが、どのような運用をしたらよいか。答:著作権法で認められる範囲(1曲の半分)でのみ認めるという運用が基本だと思いますが、1曲全体の複写を希望された場合は、楽曲の著作権は基本的にJASRAC(日本音楽著作権協会)にその管理が委託されていると思いますので、JASRACからまとめて許諾を取ってもらえればよいと思います。参考)「出版物などの製作」(JASRACホームページ)http://www.jasrac.or.jp/info/create/publish.html79Page803.複写o「一部分」=「半分」の根拠この規定においては、著作物の一部分の複製を認めるものであって、著作物の全部又は相当部分の複製を許容するものではない。「一部分」とは、少なくとも半分を超えないものを意味するものと考えられる。また、著作物が多数収録されている編集物にあっては、「定期刊行物」を除き、掲載されている個々の著作物について「一部分」であることを要するものである。「著作権審議会第四小委員会(複写・複製関係)報告書」1976.9の第2章「2.図書館等における複写複製」http://www.cric.or.jp/houkoku/s51_9/s51_9_main.html#2_4•一著作物の範囲の画定方法…本件著作物は、各項目毎にまとまった内容を有しているものと窺われかつ著作者が明示されており、「各人の寄与を分離して個別に利用することができないもの」(著作権法2条12号)とはいえず…原告の請求した本件複写請求部分は、著作物の全部に当たるものであって…「多摩市立図書館事件判決」(東京地方裁判所平成7年4月28日判決)80Page813.複写•俳句・短歌の一首、事典の一項目等の複写「複製物の写り込みに関するガイドライン」(平成18年1月1日)を適用。(複製物の作製)3図書館が利用者の求めに応じて複製機器による紙面への複製を行う際には、著作権法第31条第1号に基づき、著作物の一部分のみ(以下「複製対象」という。)の複製を行うが、同一紙面(原則として1頁を単位とする)上に複製された複製対象以外の部分(写り込み)については、権利者の理解を得て、遮蔽等の手段により複製の範囲から除外することを要しないものとする。⇒マスキングしなくてもマスキングしたことにしますよ、ということ。参考)全公図「複写サービスガイドライン」2(4)ウ81Page823.複写•地図の複写範囲の解釈個々の地図の半分まで。冊子体の場合、見開きの片ページまで。ただし、国土地理院が作成した地図は、調査研究目的なら全部複写可。*詳細な解説⇒「地図の著作権」(リサーチ・ナビ)http://rnavi.ndl.go.jp/research_guide/entry/theme-honbun-601008.phpo冊子体の地図が見開きの片ページまでに限定される理由なお、弊社では住宅地図の製作工程を踏まえ、著作権法の趣旨に沿い検討を重ねた結果、上記3の通り、複写を区割り図の半分を超えないこととする結論にいたりました。この結論にいたるまでの弊社の考え方は、以下の通りです。(1)弊社住宅地図は、各区割り図ごとに創作されたものである。(2)住宅地図帳そのものは別個独立の著作物である各区割り図の集合物である。(3)弊社住宅地図について、著作権法31条における著作物とは、区割り図(住宅地図見開き2頁)をいう。(4)著作権法31条により複写サービスを許される著作物の一部とは、弊社住宅地図については、各区割り図(住宅地図見開き2頁)の半分(1頁相当分)を超えない範囲をいう。(出典)株式会社ゼンリン「「住宅地図の複写」について」平成17年1月11日82Page833.複写問:地図でいうところの一区画の解釈について。答:前述のとおり、個々の地図の半分までとなります。住宅地図の場合は見開きの半分までになります。ただ、国土地理院の地形図の場合は、一図葉全部までコピーできます。83Page843.複写•地図の複写範囲の解釈個々の地図の半分まで。冊子体の場合、見開きの片ページまで。ただし、国土地理院が作成した地図は、調査研究目的なら全部複写可。o国土地理院作成地図の取扱い(平成20年国地総務第325号)42.図書館における国土地理院の測量成果の複製について教えてください。著作権法第31条において、複製の目的が営利性を有せず学術調査・研究の場合に限り、図書館において、1人につき一部、地図一図葉の複製が可能です。「承認申請Q&A」国土地理院ホームページhttp://www.gsi.go.jp/LAW/2930-qa.html84Page853.複写•「発行後相当期間を経過した定期刊行物に掲載された個々の著作物にあつては、その全部」の意味⇒「発行後相当期間」:次号発行又は3ヵ月経過後a第1号関係「発行後相当期間」次号が出されるまで(発行後3か月経過しても次号が発行されないものは3か月経過後)とする。「複写に関するガイドライン(案)」(1993.6.17日本複写権センターから協力委員会に提案)参考)全公図「複写サービスガイドライン」2(4)エ•ただ、大学図書館間では大学紀要に関して別の取り決め(受入日から複写OK)あり。•最新号が×というわけではなく、図書等と同じ扱い。∴最新号を×にするためには別の理屈が必要。85Page863.複写問:新聞のコピーについて当日の新聞は本来半分以下であれば複写可能であるが、現状は図書館の運用上、複写はお断りしている。運用をどのようにすればよいか。答:図書館には著作権31条に定められた範囲の複写を行う義務はありませんので、お断りする運用で問題ないと思います。ただ、例えば、新聞社の経済的利益を考慮する等、そのような運用をする理由付けは考えておいた方がよいと思います。86Page873.複写•「一人につき一部」の意味⇒字義どおりです。•「後日半分」「知人と手分け」「他館で半分」問題⇒注意を払うのは限度あり。対応可能な範囲でよいのでは?•分冊の取扱い:「一著作物」がどこまで続くか。•付図・付録の取扱い:本文で言及あれば「一著作物」。•図版となっている地図や写真:本文と一体で考えるということでよいのでは。87Page883.複写•学校図書館の複写サービス•著作権法31条1項適用は×。自校の先生・児童生徒の「手足」として35条1項の複写を行うのは可か。•この場合…(i)授業・調べ学習・校内行事(文化祭、体育祭など)で先生(学校教諭・大学教授に限らず)や児童生徒が利用するための複写OK。(ii)複写可能範囲は「必要と認められる限度」なので一部分を超えてもOK。翻訳・翻案・変形等もOK。(iii)他校の資料でもOK。(iv)ただし、目的外使用不可。88Page893.複写•学校図書館の複写サービス•著作権法第35条第1項(授業等での複製)「学校その他の教育機関(営利を目的として設置されているものを除く。)において教育を担任する者及び授業を受ける者は、その授業の過程における使用に供することを目的とする場合には、必要と認められる限度において、公表された著作物を複製することができる。ただし、当該著作物の種類及び用途並びにその複製の部数及び態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる、この限りでない。」89Page903.複写問:他館借受資料の複写について公共図書館では他館借受資料の複写は不可だったと思うが、学校図書館では著作権法第35条第1項のため、他校借受資料の複写はできるのか。答:お書きのとおり、著作権法第35条第1項では、(31条1項1号のような)所蔵資料に対象資料を限定していませんので、他校から借り受けた資料を学校図書館でコピーすることは(コピーしたものを「授業の過程」で使う場合には)可能です。*公共図書館でも「借受ガイドライン」を遵守すれば他館借受資料の複写は可能です。90Page913.複写問:模写(トレース)した場合のイラストの著作権について美術の授業でのポスター制作、スマホから他人の写真を手書きで写す、または模写(トレース)する場合のイラストの著作権はどうなるのか。「写真そのものではない」×「授業で使用」→「著作権侵害無し」という理解でよいのか。答:授業の過程で使う場合には、これら全ての場合で著作権法第35条第1項が適用できます。ただ、これらにより製作した作品を授業以外の目的で使う(美術展で展示する等)場合には、同項が適用されなくなりますので、許諾が必要となります。91Page923.複写問:授業時間中に授業者が行う複写等はどこまで許されるのか。例)当月号の雑誌『ピアノ』に載っている楽譜のコピーが必要な場合。例)当日の新聞のコピーを使いたい場合。(現在の対応)図書館にコピー機があるので、授業者が来て複写をするのは認めている。(司書はやらないので、生徒だけが来たときは断っているが、本音を言うとコピーしてやりたい。)答:授業で使うのであれば、(31条とは異なり)最新号の場合は一部分しかコピーできないという制約はありませんので、認めて挙げてもよいのではないかと思います。参考)著作権法第35条ガイドライン協議会「学校その他の教育機関における著作物の複製に関する著作権法第35条ガイドライン」(平成16年3月)http://jbpa.or.jp/pdf/guideline/act_article35_guideline.pdf92Page933.複写•携帯電話等での所蔵資料の撮影•利用者が所持する複製機器(携帯電話のカメラなど)での複製(撮影も含まれます)には、著作権法31条が適用されず、著作権法30条1項(私的使用のための複製)の規定により、著作権者の許諾なしに行えると解するのが一般的。•ただ、著作権者の経済的利益への配慮や利用者のプライバシー保護、静謐な利用環境の保持のために制限する図書館が多い。参考)全公図「複写サービスガイドライン」3(4)93Page943.複写文化庁HP「著作権なるほど質問箱」掲載の問答94Page954.引用・転載•「引用」か「転載」か。o「引用」(法32条1項)の要件に当てはまれば「引用」。それ以外のものは「転載」。oただ、元の記事・論文から独立したものとして扱われる場合も(抄録の場合など)。•「指示的抄録」(文献の存在について指示を与えるだけであって、内容の把握については本文を必要とする程度のもの)⇒元の記事・論文から独立。•「報知的抄録」(内容をある程度概括)⇒翻案に該当する場合もあり得る。※自分の言葉で表現した抄録は翻案ではない。95Page96「引用」の要件(1)•出典を明記すればよいというものではない。•「主従関係」「明瞭区別性」「出所明示」の要件が必要。•「主従関係」:引用した著作物と引用元の著作物を比べ、前者が「従」、後者が「主」である関係が必要。⇒「被引用著作物が引用著作物の内容を補足説明し、あるいはその例証、参考資料を提供するなど引用著作物に対し付従的な性質を有しているにすぎないと認められるかどうかを判断して決すべきもの」(東京高裁S60.10.17判決)96Page97「引用」の要件(2)•「明瞭区別性」:引用を含む著作物の表現形式上、引用して利用する側の著作物と、引用されて利用される著作物とを明瞭に区別して認識することができ」(最高裁H55.3.28判決)ること。⇒カギカッコで括る、行頭・行末を1字から数字分上げ下げするなど。絵画や写真の場合は明白。•「出所明示」:著作者、著作物の名称、発行年月、出版社の名称等を慣行に従って表示すること。転載箇所とできるだけ近接する必要が。97Page985.ネット上の画像等の利用•インターネット上にある場合でも、紙で流通しているものと同じく、原則として著作権が働きます。∴権利制限規定が働くなどの場合を除き、その利用には著作権者からの許諾を得る必要があります。⇒フリー素材のものが多く出回っていますので、利用規約等に従い、そちらをご利用するのがよいと思います。98Page995.ネット上の画像等の利用問:生徒のレポート作成における著作権への配慮について環境問題などのテーマでウェブサイトから図・文章を引用する場合、どの程度著作権に配慮すべきなのか。専門科(電気科など)の課題研究で同様の引用の場合も。答:本来授業の過程での著作物の利用は、著作権法第35条第1項の規定が適用されるため、特に留意すべきことはありませんが、将来のことを考えると、引用のルールに基づいてレポートを作成するよう指導されるのがよいと思います。「主従関係」「明瞭区分性」「出所の明示」を徹底されるのがよいと思います。99Page100権利制限規定が適用できないときは?平成27年度図書館職員専門研修はじめての著作権100Page101「権利制限規定」の働き著作権が働か権利制限規定保護期間が満ない行為かが適用可能か了しているかほとんどがこの規定を適用する著作物でない保護対象の著ことで許諾不要か作物かに。101Page102許諾が必要かのチェックリスト著作権が働か権利制限規定保護期間が満ない行為かが適用可能か了しているかあきらめるのは早い…著作物でない保護対象の著まだ3つあか作物かります!102Page103許諾が必要かのチェックリスト著作権が働か権利制限規定保護期間が満ない行為かが適用可能か了しているかまずはこれ著作物でない保護対象の著から。か作物か103Page104著作権の保護期間注:起算点は公表・死亡時の翌年の1月1日実名/周知変名無名/非周知変名/団体死後50年創作したときかで消滅ら保護が開始公表後50(無方式主義)年で消滅映画公表後70年で消滅注:昭和32年以前に公表された写真の著作物の著作権は、すべて消滅しています。104Page105著作権の保護期間•活用例:青空文庫http://www.aozora.gr.jp著作権が消滅した文学作品を中心にテキスト化を行い、無料でネットで公開するサイト。(例)太宰治(1909-1948)の作品吉川英治(1892-1962)の作品*江戸川乱歩(1894-1965)、谷崎潤一郎(1886-1965)などが、今年12月31日で保護期間満了。105Page106太宰治「人間失格」106Page107著作権の保護期間問:TPPによって著作権のルールはどのくらい変わるのでしょうか。(著作権切れの年数問題も含めて)答:現在文化庁が3月の法案提出に向けて法案作成作業を行っているようですので詳細は不明ですが、大きく①保護期間が20年間延長される、②著作権等侵害罪の一部非親告罪化(二次創作分野への影響に配慮)、③アクセスコントロールに関する制度整備(公正な目的で行われる、権利者の利益に不当な不利益を及ぼさない行為が対象外になるよう配慮)、④法定損害賠償に係る制度整備(日本の法体系に即したものとなるよう配慮)等に分けられます。図書館では①②が影響があると思われますが、①については、「不遡及原則」と言って、いちど消滅したものは復活しないという原則がありますので、既存のアーカイブヘの影響は少ないと思います。参考)文化庁「TPP協定(著作権関係)への対応に関する基本的な考え方(案)」文化審議会著作権分科会法制・基本問題小委員会(第7回)配付資料1.平成27年11月11日.http://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/chosakuken/hoki/h27_07/pdf/shiryo_1.pdf107Page108著作権の保護期間問:没後50年を迎えた著作物は全てにおいて複写可能か。答:日本の著作権法では、没後50年により著作権が消滅することとされていますので、(本国では没後70年で著作権が消滅する欧米の著作物を含め)基本的には複写可能です。復刻版や翻刻版も、解説等の新たな著作物が追加されていない限りは、同様です。絵画や写真については、これらを複製するために撮影された写真自体に新たな著作権が発生しないことになっていますので、同じく全部複写できます。ただ、「戦時加算」という制度があり、第二次大戦の開始から戦争の講和までの期間に存続していた連合国側の著作物については、その多くが11年弱の期間加算されますので、消滅していないものがあります。参考)「著作権の保護期間に関する戦時加算とは?」(JASRACホームページ)http://www.jasrac.or.jp/senji_kasan/about.html108Page109吉川英治「三国志」109Page110許諾が必要かのチェックリスト著作権が働か権利制限規定保護期間が満ない行為かが適用可能か了しているか次はこれを説明します著作物でない保護対象の著。か作物か110Page111著作権で保護されない著作物1.公的機関作成の著作物の一部憲法・法律、告示・通達類、裁判所等の判決、これらの公的な翻訳・編集物(著作権法13条各号)2.特定の国の著作物の場合国交がない国・国際条約未加入国(北朝鮮、イラク、イラン、ウズベキスタン、サンマリノなど)の著作物(著作権法6条)111Page112許諾が必要かのチェックリスト著作権が働か権利制限規定保護期間が満ない行為かが適用可能か了しているか最後はこれ著作物でない保護対象の著です。か作物か112Page113著作物でないもの①思想又は感情を表現していないもの客観的なデータ(人口、氏名、地名、価格、数量、書誌データ、化学式、歴史的事実、年号…)など。②創作的でないもの(例)5W1Hしか書いていないような記事復刻・翻刻複製画・複製写真時系列順・50音順・条文順等、誰でも思い付くような配列でデータを並べた図表(誰が作っても同じようなものができる場合)題号・キャッチフレーズ・スローガン(短すぎて創作性が発揮できない)113Page114著作物でないもの(続)②創作的でないもの(続)(例)あるデータを棒グラフ・折れ線グラフ・円グラフ等、誰にでも思い付くような形にしただけのもの※新聞の見出しの利用をめぐって争われた裁判において、ほとんどの新聞の見出しは著作物に当てはまらない(ありふれた表現のため)とした判決あり(知財高裁平成17年10月6日判決「ヨミウリ・オンライン事件控訴審判決)。③表現されていないものアイデア、着想など。④文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属しないもの工業製品、服飾デザイン、工業製品、おもちゃ、型紙等114Page115考え方は身に付きましたか?ワークショップで実際に考え方を適用してみてください!115

資料2:知的資源イニシアティブ理事 岡本明、『失敗に学ぶデジタルアーカイブ』

失敗に学ぶデジタルアーカイブ ~アーカイブ運営のノウハウを共有する~ 岡本 明 (NPO法人知的資源イニシアティブ理事、株式会社寿限無代表取締役) はじめに  JPEG(ISO/IEC JTC-1およびITU-Tの合同静止画専門委員会)がそのプレスリリースにて国立公文書館のデジタルアーカイブ(以下、単純にアーカイブと呼ぶ)を取り上げたのが2004年。それから10年余り経た現在、様々なアーカイブが運営され、多くのコンテンツが公開されて、誰もが手軽に資料を参照できる世の中が到来した。この間、筆者はアーカイブサービスの構築や資料の電子化、関連する規格やガイドラインの整備などに携わる機会を得て比較的多くの事例に触れることができた。  アーカイブの分野にも、充分な評価を得て多くの利用者に参照され更新を重ねていくサービスがある。このようなサービスはマスコミに取り上げられる機会が多く耳目に触れやすいため、それはあたかも典型例のように認知されている。  しかしその一方で悩ましい問題を抱えていたり、良い評価を得られずに消えていったりするサービスも少なくはない。むしろこちらの方が多く聞こえてくる印象があるが、世間ではあまり知られていないようだ。ニュース性に乏しいからか、あるいは自らの失敗を喧伝する関係者がそう多くないせいからだろうか。  ところが、いざ自分が当事者になろうという段になると、むしろ失敗例のほうが気になるものだ。成功と失敗の事例を比較して勘所を抑えておこうという向きも多い。それなのに肝心の失敗事例が見つけにくい。どこに行けば見られるかと訊かれたり、失敗事例が共有されていれば同じ轍を踏むことは無かったのにとの恨み節を耳にしたりする。  そこで、この場を借りて典型的な失敗事例を示すとともに、NPO法人知的資源イニシアティブ(以下、IRIと略す)の取り組みを紹介したい。失敗例を提示するという本稿の性格上、各事例のサービス名や運営者は一律に匿名とするが、その点についてはご容赦頂ければ幸いである。  1.アクセスが少ない  ウェブサービスを評価する場合に最も利用される指標はアクセス数だ。アクセス数は評価の一面に過ぎず質の評価に繋がらないとの議論もあるが、定量・定性の両面を見る政策評価等において欠くべからざる指標であることには異論の余地がないだろう。以降の予算取りに影響するため、ウェブサービスに関わる者は概してアクセス数を気にするものだ。  アーカイブについても同様であってアクセス数が増えないという嘆きを耳にすることがある。そして、そうしたサイトを眺めてみるといくつかの共通点があるように思える。 1.1.解説が足りない  これはアーカイブにありがちな失敗だ。アーカイブが抱えるコンテンツの数量はウェブサービスの中でも突出している。そのせいか運営者はコンテンツの網羅に執心しコンテンツが集まるとそれだけで安心してしまうように見える。また、運営者の多くはその道の専門家でもあるが故に素人である一般利用者の当惑に思いが及ばないということもある。さらには、予見を持ってほしくない、余計な脚色をせずあるがままに提示したいという思い遣りのようなものもある。加えて慢性的な人手不足という事情も影響しているのだろう。  しかしながら、説明の足りないサービスには、「素人は来るな。知らないやつは見るな。」という高慢さがついて回る。利用者は当惑し悪印象を持ち帰る。それでは困る。アーカイブのサービスにも不案内な人を迎えて面白さを伝えようとする仕掛けと努力とが必要だ。その点でアーカイブは他のウェブサービスと何ら変わるところがない。 1.2.更新が足りない  もう一つアーカイブにありがちな問題は更新が足りないことだ。極端な例だが、開設時に用意したアプリケーションだけで5年間集客できると思い込んでいたという反省の弁を何度か耳にした。  ところが、ウェブサービスのアクセス数には、更新直後急激に立ち上がってそれ以降は漸減するという傾向がある。更新をしなければ早晩利用者は減っていくのだ。  こう話すと「そうは言ってもアーカイブへのコンテンツ追加は中堅どころですら年に数回だ」と反論を受けることがある。ウェブサービスの更新をコンテンツの追加と決めてかかっているわけで、ここが誤りのポイントだ。利用者からすれば、新しい気づきが得られればこれ即ち更新。アーカイブのレコード数自体は変わらなくとも、コンテンツをピックアップして関連付ける、解説の観点を変える、といった具合に何か新しい発見を提供すればそれは来訪の充分な動機になる。  下のグラフは定期的に解説分を掲載しているとあるアーカイブの直近3か月のアクセス推移だ。青い線が実際のアクセス数で赤い線が傾向線(6日移動平均)だ。 [石川 孝明1]  平均すると1日当たり約5000アクセスのアーカイブだが、解説記事の掲載日にはアクセス数が3倍~5倍に跳ね上がり、その後漸減していく様子が見てとれ、解説の掲載がサービスの成功に寄与していると言うことができる。  ただし、それは言うに易く行うに難い。記事内容を考えるだけでも手間だ。せめて更新は楽に行いたい。日常業務として継続させるためには、ピックアップ、ギャラリー、解説、運用者ブログなど、簡便な更新を支える機能がシステムに必要だ。  さて、このような日常的な更新のほかに、リニューアルや新規アプリの追加といったもう少し派手で目立つ大きな更新も必要だ。ウェブサービスは日進月歩の世界であり、時代が次々新しい機能やコンセプトを要求してくる。リニューアルを2~3年もサボったウェブサービスは古臭く見えてしまうものだ。  アプリケーションに要求されるものは時代とともに変化するからサービス導入時にアプリケーションそのものの予想をすることはできない。しかしながらその準備を整えておくことはできる。  アーカイブは例えるならコンテンツのダムだ。[TI2]そもそもアーカイブにはコンテンツの供給元という役割があるのだから、新規アプリケーションの追加にあたっても対応は可能なはずだ。外部のサービスやアプリケーションにコンテンツを供給する仕組み(API)が十分に用意されていることだけは、調達時にきちんと確認しておきたい。 1.3.広報が足りない  公共的なサービスにおいて、広報はセンシティブな活動だ。特にSEOについてはその実施に異論も多い。それでも興味を持ってくれそうな利用者に届かなければサービスの価値は増えていかないのだから、検索サービスが利用者をナビゲートしてくれるとすれば、それはそれで喜ばしいことなのである。特にサービス開始当初は一般に認知されていなので尚更このようなナビゲーションがありがたかったという声も多い。  しかしながら広報には金も時間も努力も要る。アーカイブの運営に粉骨砕身努力する一方で広報にも気を配れと言うのはいかにも酷である。  そこで、IRIでは一定の条件を備えたアーカイブに対してこのような援助を行うこととした。詳細については是非問い合わせてほしい。 2.思った以上に費用がかかる  次に多い相談は費用についてで、大抵は、ストレージ、通信、移行、運用のいずれかのコストを圧縮したいという話だ。 2.1.ストレージコスト  アーカイブは大量のコンテンツを扱う。そのため、経費全体に占めるストレージコストの割合は無視できないほど高い。[TI3]  ストレージコストは、データ量・性能・地理冗長や世代管理等の付帯要件・コーデックの圧縮性能・配信の方式・クラスタギャップなどなど様々な条件の影響を受けて大きく変動するため一概に話をするのは難しいところであるが、それでも最低限ベンダーから他の選択肢と比較したメリット・デメリットなどの説明は受けるべきだ。これを怠ってベンダーが提案する金額を鵜呑みにした、根拠が分からないままに提案を受け入れた、といった反省を耳にする機会は少なくない。時には驚くほど高額な負担をしている例もある。  試みに、1テラバイト(A3/フルカラー/400dpi/20万枚相当)のコンテンツを扱うアーカイブをクラウド(PaaS・Blob運用・動的配信・ローカル冗長の条件)で運用するとして、その場合のストレージコストを算出してみる。費用はクラウドサービスの選択などに左右されものの、国内法適用の大手クラウドベンダーで年間約3万円ほどである(執筆時点の価格)。この金額を頭の隅に留め置き、見積りとかけ離れている場合には納得がいくまでベンダーに説明を求めることをお勧めする。 2.2.通信コスト  静止画の配信を中心とするアーカイブを運用する場合、通信コストはそれほど問題にならない。しかしながら動画の配信だとそうはいかない。動画配信では大量のデータを送出する仕組みが必要となる。オンプレミスやデータセンターでの運用であれば送出量に見合った設備を、クラウドであればコンテンツを分散配置するCDN[TI4]を含めた費用負担を、それぞれ考えねばならない。これが動画を扱おうとする場合の最大のネックだ。  なお、IRIでは一定の条件を備えたアーカイブサービスに対してビデオプロキシを提供することでこの問題の改善を図る取り組みを進めている。興味のある向きは問い合わせてほしい。 2.3.移行費用  システムの入れ替え時には移行の作業が発生するが、その際に費用を請求されることがあるようだ。データベース上のメタデータを数MバイトのCSVファイルに出力するだけで100万円前後の費用が請求されたという愚痴を随分聞いた。  しかしながらどうにもこれが理解できない。データのエクスポートはアーカイブシステムが備えているべき標準の機能であり、その利用にあたって高額な手数料が発生するのは理屈に合わない気がする。  調達の要件にこの機能を含めておけばこのようなこともないはずだ。調達時にはくれぐれもご注意願いたい。 2.4.運用コスト  運用コストには、死活監視・侵入監視・改竄検知・脆弱性対応やバックアップなど多様な作業が含まれており人手も要るため最も金額が大きい。ただし、ある程度まとめても人手への影響が少ないために規模が大きくなると単価が下がる傾向もある。要するにオンプレミス運用よりはデータセンター運用のほうが安く、データセンター運用よりはクラウド運用の方が安くつく。クラウド運用の中では、IaaS, PaaS, SaaSと順に費用負担が軽くなる。最も安いSaaSから検討を始めて要件に合わなければ、順次負担の重いものを検討していくことをお勧めしたい。  なお、昨年来、Heartbleed、 FREAK、 SSL脆弱性、自己証明書攻撃などコンピュータシステムの脆弱性に起因する社会問題が相次ぎ、その影響からセキュリティパッチ適用作業のコストが膨らんでいる。[TI5]特にベンダーからの継続的なセキュリティパッチ提供がないオープン系のOSでは、コミュニティへの参加・パッチの入手・試験環境での動作確認、パッチ適用など一連の作業を継続して実施する必要がありこれが負担になっている。一方でMicrosoft AzureのPaaSのようにセキュリティパッチ適用をほぼベンダー任せにできるような環境もある。システムを調達する際には初期導入コストだけではなく運用コストの検討も十分に行っておきたい。 3.やりなおしが多い  アーカイブが対象にする資料はほとんどが貴重なものだから、何度もスキャンして負荷をかけるようなことはできるだけ避けたいものだ。また、たとえそうではなくても2度手間を避けるに越したことはない。  ところが意に反してコンテンツデータの作成現場では意外なほどやり直しが多く発生している。要求仕様の不備・機材の性能不足や調整不足・作業者の不注意・非可逆圧縮による劣化など原因は様々だ。 3.1.要求仕様の不備  技術の進歩や用途を勘案せず色数や解像度などの仕様を決めると後になって作り直しの憂き目を見る。良く知られた事例に、全ての台帳を白黒二値で記録したとある大規模プロジェクトがある。色の弁別ができないと赤書きなどの書き込みが下の文字と重なって弁別不能となる。そのため結局全ての台帳をスキャンしなおす羽目に陥り膨大な追加費用を計上した。  次に挙げる例を失敗と言うのは酷かもしれない。ここ30年ばかり解像度は400ppiというのが電子化の半ば常識として語られてきた。オフセット印刷の資料は最低でも175線(lpi)で印刷されている、これを潰れなく再現するにはその倍である350ppi以上の解像度が必要になる、というのがその根拠だ。いわば入力だけを考慮して決められた仕様である。ところがディスプレイの高解像度化が進み800ppiを超えるスマホが販売されるに至って、アーカイブの解像度を見直す出版社が増えてきた。出力のほうも考慮する必要が生じたのだ。  技術は日進月歩だ。それにつれて要求水準も上がる。だからこのようなやり直しを根絶することはできない。しかしながら、保存やサービスなど電子化の工程を整理しなおすことでそのリスクを減らすことは可能だ。  できるだけ良い状態でデータを作ってこれを保存用のデータとし、そこから運用しやすい解像度や色数のデータを取り出してこれをサービス用とする。サービス用のデータは時代の要求に合わせ適宜作り直す。滅多に使われることのない保存用のデータは、低速で安価な媒体に記録しておく。  保存用のデータを作る場合、やってはいけないのが非可逆圧縮を適用することだ。非可逆圧縮は目立たない部分を捨てることによってデータ量を減らす技術だ。つまり非可逆圧縮を適用するとデータは壊れる。圧縮はデータを保存するたびに適用されるので、その都度データは壊れていく。たとえばJPEGは非可逆圧縮を使った技術だから、そのデータに拡大・縮小・移動・切り出し等々何らかの操作をして保存すると、そのたびに絵は汚れていく。  このように、派生元となるデータに非可逆圧縮は不向きである。そのため保存用のデータには可逆圧縮を適用する。可逆圧縮の圧縮性能は低く、データ量は概ね元データの半分程度にしかならないが、絵が壊れていく心配はない。なお、可逆圧縮と非可逆圧縮の両方に対応し、保存用・サービス用の両方にシームレスに使えるJPEG 2000という便利なコーデックがあり、各国の中央図書館ではアーカイブにこの技術を採用している。[TI6]  これに関連して一つよく目にする失敗を紹介する。それは保存用データのフォーマットをPDFにする場合に起こり得る。PDFというのはコンテナ(容器)に分類されるフォーマットで、静止画についてはJPEGなどのデータをそのまま格納する仕組みとなっている。ところが、さきほど説明したようにJPEGは非可逆圧縮なので保存用には向かないのだ。工夫すれば可逆圧縮のJPEG 2000データを格納するなどした保存用のPDFデータを作ることもできるが、実際のところこの失敗を実によく目にする。お気を付け頂きたい。 3.2.機材の性能や調整の不足  スキャナなどの機材に問題があると、画像が潰れる、色味がおかしい等の問題が頻発してうんざりするほどのやり直しが発生する。  これを防ぐためには、電子化に先立って使用予定の機材を評価するのが良い。筆者も仕事柄このような場に立ち会うことがあるが、驚くような事例に出くわすことがある。RGB各256階調を謳いながらも実は各60階調のセンサを使っていた明らかな粗悪品、そこまで悪質ではなくても、ダイナミックレンジが狭い、色かぶりがある、解像度が足りない、ピントがあっていない等々、実に様々な問題に行き当たる。  評価は入力業者からサンプルデータの提出を受け、問題のないことを確認する形で行う。問題ないことを確認された業者だけを対象に役務調達を行えば間違いがない。評価にはJIS X 6933 No.2等、基準データが添付された標準規格のチャートを使うのが良い。なお、作業期間中にも定期的に同様の確認を行うことをお勧めする。 3.3.作業者の不注意  人為的なミスも少なくない。良心的な業者は資料を注意深く扱うが、そうではない業者も少なからず存在する。資料を壊して出入り禁止になったというような噂を聞き確認してみると、同じ業者だったりする。規模の大小や所在地などには関係がない。要するにこれは作業者の経験と誇りの問題なのだろうと思う。  ほこりといえば、評判の悪い業者が提出するサンプルデータには埃が目立つものだ。ある案件で写っている埃の数を実際に数える機会があった。多くとも60個程度の埃が写っていた中で、ある業者だけは300個を超える記録を出した。チャートの管理が悪いためにそのような事態を招いたのだろうが、資料の管理も推して知るべし。想像すると背中を冷たいものが走る。 3.4.非可逆圧縮による劣化  仕様が適切で、機材のコンディションは良好、作業者も良心的。それでもやり直しは発生する。サービス用データの画質が低すぎる場合がままあるのだ。  配信の負荷を下げるためサービス用のデータには非可逆圧縮を適用する。先にも述べたように、非可逆圧縮は目立たない情報を捨ててデータ量を減らす技術だ。ここで問題になるのは、どこまでなら目立たないか、どこまでなら捨てて良いか、ということだ。情報を捨てすぎるとデータが壊れて使い物にならなくなる。  すぐに思いつくのは、安全そうな圧縮率を目安にすることだ。しかしながら、圧縮率と絵の壊れ方の関係は撮像対象ごとに大きく異なってしまうことが知られている。  一律の圧縮率を適用すると一部のデータが壊れすぎる。壊れたデータを使ってサービスを運営するわけにはいかない。しかしながら、どのデータも壊れないような低い圧縮率を適用すれば今度はストレージのコストを押し上げる[TI7]。だから、圧縮率を基準にする場合には、結局全てのサービス用データを目視で確認し、画質の悪いものについては圧縮率を変えてやり直すことになる。  目視確認の最大の問題はひと工程多いことで、これがスケジュールや経費に影響する。そこで、特に大規模なプロジェクトではStructural similarity(SSIM)やPeak signal to noise ratio (PSNR)[TI8]といった客観的な画質指標を導入して目視検査の工程を省略する。SSIMは原本との類似性を%で表す指標でありPSNRはノイズの割合をdB で表す指標だ。両方の指標に許容下限値を設け、画像ごとに下限値ぎりぎりの圧縮率を適用すれば、画質を担保しながらストレージコストも最小に抑えることが可能になる。[TI9] 4.オープンデータと言うけれど  オープンデータが花盛りだ。知的財産戦略本部、総務省、経済産業省といった中央省庁が旗を振り、一部の地方公共団体も環境整備に乗り出した。WWWを発明した聡明な科学者の提唱ということもあってかウェブ全体がオープンデータに肯定的だ。歓迎すべき状況に間違いなさそうだが、黎明期ということもありこれにまつわる失敗談や相談も少なくない。 4.1.Google MAPのAPIが突然使えなくなった  大手のウェブサービスはさまざまな機能をAPIとして提供している。中には自前で構築すると莫大な費用のかかる機能を無料で利用させているありがたいものもある。これに目を付け、Google MAPやFacebookのAPIを利用するウェブサービスが随分増えている。既にWeb上どこででも見かけると言って過言ではない。  しかしながら有難がってばかりもいられない。無償のAPIは利用者に対して責任を負う立場にないのだ。サービスを行う者がこれを忘れると大変な目に合う。  かつてGoogle MAPはAPIのバージョンを上げる際にインタフェースを大きく変更した。その影響を受けて複数のアーカイブがサービスを継続できなくなったことがある。Google MAPのAPIは変更だけだったが、突然廃止しまったAPIも星の数ほど[TI10]ある。また、一方で一定の頻度を超えて利用すると料金が請求されるような利用条件のついたAPIもある。  こうしたリスクもあるAPIだが、それを補って余りある利便性があるため、敬遠してしまうのは惜しいものだ。リスクの存在を踏まえ、必要な対策を取った上で注意深く利用していきたい。 まずは利用条件をきちんと把握することだ。利用したいAPIが費用などのリスクを持たないことを確認する。利用条件は度々更新されるので定期的にチェックする。 また、似たような機能を持つAPIを探し予め複数系統のサービスを用意することでAPIの変更や廃止があっても自分のサービスを継続できるように備える。  そして何より大切なのは情報を交換し合うコミュニティに参加することだ。IRIでも大手API提供サービスの協力を得て情報交換の場を設けている。興味があれば問い合わせてほしい。 4.2.パーマリンクが使えない  たいていのアーカイブサービスは提供中のコンテンツを参照するためのパーマリンクのような仕組みを持っている。コンテンツ、表示位置、解像度、サイズなどを特定する情報をURIにまとめることで、ブログのような外部のコンテンツからアーカイブ内のコンテンツを参照できるようになる。サービスの運営者からもサービスの利用者からも喜ばれる大変便利な仕組みだ。  ただし、これにはひとつ悩みがある。アーカイブのサービスと利用者側のサービスとで継続期間が異なることだ。利用者側のサービスのほうが早く終了するのなら問題はないのだが、アーカイブ側の継続期間が短い場合にはリンク切れを起こしてしまい、せっかくコンテンツを紹介してくれた利用者に迷惑をかけることになる。5年ごとにシステムを入れ替える公的なアーカイブでは定期的にこの問題に直面している。  これを避けるには、今のところパーマリンク移行機能を提供するシステムを利用するしか方法がない。今後は制度的な取り組みに期待したい。 4.3.再利用条件が守られない  オープンデータの普及に合わせCreative Commons[TI11]の認知度も上がってきた。CC:BYを明記した公共サービスも増えた。これを利用し、Office系のアプリケーションが、オンライン画像をドキュメントに挿入する機能を提供したりもしているからご存知の向きも多いだろう。 さて、その機能を使ってオンライン画像を二次利用する場合に、出典が記載されないことがある。CC:BYとは二次利用していいからその代わりに出典を明示してね、という約束だ。Creative CommonsのライセンスはCC0以外全て最低限CC:BYを含んでいる。それなのに少なからず出典が見当たらない。 おそらく忘れられているのだ。  Creative Commonsのライセンスマークは大抵ウェブページの目立たないところに張られている。そのため悪意がなくともライセンスの転記を忘れてしまうことが発生し得る。そうしてライセンスとはぐれてしまったコンテンツが、さらに別の場所で二次利用される。自分のものと主張する輩が現れるかもしれない。このようにして迷子になったコンテンツを探し出して、ライセンスしなおすことはほとんど不可能だ。  この問題に対するひとつの解がISO 16684として標準化されているExtensible Metadata Platform(XMP)だ。XMPは画像や映像などのコンテンツデータに付帯的な情報を組み込む規格である。Creative Commonsでは、XMPを使ってコンテンツデータにライセンスを付与する取り組みを進めている。クリエイティブ・コモンズを使った二次利用許諾を計画しているのであれば、是非XMPの導入を検討してほしい。 4.4.連携の進め方がわからない  この頃は国立国会図書館の運営するNDLサーチと連携したいという相談をもらう機会が増えた。この連携はOAI-PMH[TI12]という標準プロトコルを介して実施する。OAI-PMHを搭載するアーカイブのシステムは多く、これを使えば少ない負担で連携を実現できる。  ただし、国会図書館では捌ききれないほどの連携希望を抱えているそうで、[石川 孝明13]今では直接NDLサーチと連携するのではなく、他の団体を介して連携するよう要請されることも少なくないようだ。  NDLサーチ以外の図書館システムとの連携にはOpenSearch[TI14]というAPIを使うことが多いようだ。こちらも標準的なプロトコルで、標準搭載するアーカイブシステムも少なくない。システム選定時には是非確認してほしい。  一方で、TwitterやFacebookのようなSNSとの連携を希望する向きも多い。この連携にはOpen Graph Protocol (OGP) というプロトコルを使う。こちらもほぼ業界標準であり、多くのアーカイブシステムが標準でこの機能を搭載している。[石川 孝明15] 結びにかえて  知的資源イニシアティブは「知的サービス研究会」を母体に2003年にNPO法人として設立された団体だ。様々な規模のMLAにいろいろな関わりを持ってきたメンバーが、それぞれの問題意識に従った活動を行っている。図書館総合展でのLibrary of the Yearの主催、ISOから委託されたJPSEC Registration Authorityの運営、文化庁から委託された調査事業の実施等、活動は多岐にわたっている。  また、IRIでは、Officeアプリ、セキュリティ、マルチメディア、ビデオ、グループウェア、広告、アーカイブ、クラウドなど、様々な分野を代表するアプリケーションベンダーの協力を得てMLA関係者の活動環境整備と情報共有にも取り組んでおり、特にデジタルアーカイブの敷居を下げるための活動をおこなっている。  当会の活動に興味をお持ちの方は是非コンタクトを頂きたい。ホームページのURLはhttp://www.iri-net.org/、メールアドレスはinfo@iri-net.tokyoである。  [石川 孝明1]図中の文字は,印刷時に潰れます.タイトル「アクセス数推移の例」を,図の外に出す事をお勧めします.また,縦軸の数値のフォントを大きくして貼り付け直すと良いと思います.  [TI2]続く説明と例えのつながりが不明瞭に感じます。  [TI3]本節の帰結は「3万円で済む」ですので、文言・表現を再検討する方が良いかもしれません。  [TI4]Contents Delivery Network(CDN)とする方がより良いです。  [TI5]参考文献を明示するべきです。おそらく読者はこれらの名称と詳細を知りません。  [TI6]参考文献が必要に思います。  [TI7]ほぼ揚げ足取りになりますが、2.1節の趣旨と少なからず矛盾しております。  [TI8]電子情報通信学会の知識の森が参考文献としてうってつけです。http://www.ieice-hbkb.org/portal/doc_02_05_log.html  [TI9]このアルゴリズムは公知ににしてよろしいのでしょうか。  [TI10]少々強すぎる表現に思います。  [TI11]参考文献を入れるべきです。  [TI12]参考文献。  [石川 孝明13]明示的に述べるべき情報ではないかもしれません. [TI14]参考文献。  [石川 孝明15]比較的最近のシステムに限定されるように思います.

=2016年3月7日 知的資源イニシアティブ事務局=

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